NFTプロジェクト成功の鍵「コミュニティマネジメント」について意見・情報交換を実施しました。

- 新たにコミュニティを立ち上げたい
- コミュニティマネジメントに興味がある
- モデレーターをやってみたい
こんな人にとって有益な記事です。
この記事の登場人物

名前:TOMO
職業:Web3コミュニティ・マネージャ
補足:明るい女性がタイプ
リンク:Twitter

名前:Ξlle
職業:モデレーター
補足:ジプシーさんの絵の様な女性がタイプ
リンク:Twitter

名前:仮想筋肉
職業:SoudanNFT 代表
補足:魔女に声帯を取られがち
リンク:Twitter
解説・対談
オープニング
仮想筋肉:NFT界隈でコミュニティマネジメントというキーワードが盛り上っております。
今回はそれぞれ様々なところで経験を積んだメンバーが集まりました。
コミュニティマネジメントについて、需要の変化や、仕事の見つけ方、練習の仕方などについて話をしたいです。
まずは我々3名。簡単に自己紹介をさせていただきましょう。
自己紹介
TOMO:NEO TOKYO PUNKS(NTP)のコミュニティマネジメントをメインでやっております。
コミュニティマネジメントの依頼を沢山いただくものの、手が回りません。
そこで、Community Manager’s Laboを立ち上げました。ここで一緒に勉強をしながら、皆さんのサポートをしていきたいと考えております。
Ξlle:SuperNormalという韓国のプロジェクトで、モデレーターをやっています。
肩書はモデレーターですが、Discord内でのチャット対応の他に、イベント企画、企業との商談、コラボ提案・営業などもやっています。
仮想筋肉:SoudanNFTコミュニティを、他二人のファウンダーと共に、昨年の10月に立ち上げました。今年の3月から代表を努めています。素人から始めて、のたうち回りながら得たノウハウを共有・発信することで、NFT界隈に恩返し・恩送りが出来れば良いなと考えております。
最近のコミュニティマネジメント事情

- 国内でコミュニティマネージャーという言葉を聞き始めたのが22年1月頃
- さらに3月~4月頃に本格的に盛り上がって来た印象
- 理由はジェネレイティブNFTの流行
- プロジェクトマネージャー、モデレーターは不足している
- 経験者に需要集中
- VC(ベンチャーキャピタル)から資金調達を成功させるNFTプロジェクト散見
- IPを保有する企業からの需要もあり
- コミュニティマネージャーを努めてNFTを完売したら報酬1000万円?
仮想筋肉:コミュニティマネジメントへの興味・関心が高まっていると感じています。
お二人から見て、どの様な事が起きているかを教えていただきたいです。
Ξlle:個人のアーティストさんがジェネレイティブNFTに参戦し始めたことをきっかけに、コミュニティ運営が出来る人材の需要が増えていると思います。
一方で、プロジェクトマネージャーであったり、モデレーターは需要に対して人数が少ないので、経験者に需要が集中しているというのが現状かなと感じています。
TOMO:コミュニティマネージャーというキーワードを聞き始めたのは今年の1月頃です。
コインチェックの大塚さんから、コミュニティマネージャーを探しているとDMをいただいたのがちょうどその頃だったと記憶しています。
その後ジェネレイティブNFTが盛り上がるにつれて、3月、4月頃からより本格的にコミュニティマネージャーというキーワードを見聞きする様になりました。
最近ではVC(ベンチャーキャピタル)からの資金の調達が済んだ状態で相談してくる事業者さんも多いです。相談してくる時点で「どうやらコミュニティマネジメントが重要らしい」という考えをお持ちの方が多い様に感じます。
仮想筋肉:VCさんがNFTプロジェクトに投資する話は最近よく聞きますね。
あとは、IPを持っている企業さんの案件も耳にする様になりました。なので、この先1、2年以内くらいで企業さん発のジェネレイティブNFTが出てくると思います。
コミュニティマネージャーに関しては「完売したら報酬1000万円お支払いします」の様な案件を聞く事もあります。優秀なコミュニティマネージャーであれば年収3000万円、みたいな世界が現実味を帯びてきている印象です。
TOMO:僕はまだ、お金という意味だとそこまで大きな案件は無いです。
ただ、最終的な規模感がどれくらいになるのか分からないプロジェクトで、大きくなりそうな案件の話は来ます。「報酬は全体の売上の10%」といった様なかたちで、お話をいただくことはあります。
仮想筋肉:Ξlleさんが言っていた通り、需要と供給がアンバランスになっている時期なんでしょうね。今は需要がとても多い印象です。
コミュニティマネージメントとは何か?

- プロジェクトマネージャー
- 事業経営
- 宣教師、先導者
TOMO:コミュニティマネージャーになる為にはどうしたら良いのか?という話につなげていきたいですが、その前に「そもそもコミュニティマネージャーとは何なのか」をイメージしておいた方がいいですよね。
TOMO:僕が感じるのは、一言でいうとプロジェクトマネージャー。
あるいは、規模によっては事業経営です。
人と話をしていて「コミュニティマネージャーとモデレーターを混同しているな」と感じる機会が多です。そういったシーンでよく使う、分かりやすい説明をしますね。
Web2.0の世界で言うところの株式会社を、Web3.0のDAOと比較します。
DAOはコミュニティですよね。コミュニティをマネジメントするのがコミュニティマネージャー、すなわち、Web3.0の世界でコミュニティをマネジメントすることは、Web2.0の世界で株式会社を管理することに言い換えられます。なのでプロジェクトマネージャー、あるいは、事業経営という言葉で表現しています。
一方で、モデレーターは日本語に訳すと司会者です。
司会者とコミュニティマネージャーは違いますよね。
仮想筋肉:この認識の仕方はわかりやすいですね。視点・視界が変わる印象があります。
NFTプロジェクトに関して、プロジェクトマネージャーがカバーするべき領域はどこまでだと思われますか?
TOMO:プロジェクト・コミュニティ・事業がカバーしている範囲全て、という認識です。
ですので、そのコミュニティのカバレッジに依存して分野・領域が変わるのかなと感じています。
どんなプロダクト(製品)をどこに向かって育てるのかはアーティストが作る部分。
枠組みを整て、それをどう発信するのか、どう届けるのか、などを支えるのがコミュニティマネージャーという認識です。
仮想筋肉:続いてΞlleさんはいかがでしょうか。
Ξlle:私の場合、肩書はモデレーターですが、それ以外に企画や営業もやっています。
そういった立場から見ても、コミュニティマネージャーはコミュニティ全般に関わる立場であるという定義に同感します。
私がコミュニティマネージャーを一言で表すと「宣教師・指導者」という言葉がピッタリきます。プロジェクトの目的や存在意義を理解して、共感して、広げていける人物というイメージです。
私の場合「好きな作品やプロジェクトを世界に広めたい」というところから入っているので、宣教師・指導者という言葉を選びました。
仮想筋肉:続いて、私が考えるコミュニティマネージャーですが、お二人の意見と同じ内容は省略して、少し細かい話・具体的な話をさせていただきます。
コミュニティメンバー全体の盛り上げ役。Discord全般の管理。モデレーター、発信担当、営業担当などチームの組成検討。これらの内容もコミュニティマネージャーの仕事に含まれると考えます。
どうやってコミュニティマネージャーになるのか?

- プロジェクトマネジメントを学ぶ
- まずは分業されている1タスクのマネージメントを経験・担当する
- モデレーターから始めるのがおすすめ
TOMO:コミュニティマネージャーとは何か、目指すところが分かったので「実際に何を勉強したらコミュニティマネージャーになれるのか」という話ですね。
仮想筋肉:募集があるのは経験者ですよね。
「有能な経験者を募集します」みたいな。
経験を積む為にも、どういった学び方が良いでしょうか?
TOMO:いまの世の中でいうと、プロジェクトマネジメントが体系化されているので学びやすいと思います。ネットや書籍でも情報を得やすいです。
「事業経営」というと、普通のサラリーマンには少し敷居が高い感じがしますが、「プロジェクトマネジメント」と言い換えると、プロジェクトを推進させる為に、予算・スケジュール・ゴール・タスク・メンバーなどを整理していく仕事なので、想像しやすいかなという印象です。
ちなみに私の本業はITコンサルです。だからこういった考え方になるのかもしれません。
仮想筋肉:今回の話を聞いて、面白そうだな、やってみたいなと思う人がいた場合どうやって実践し始めるのが良いと思いますか?
TOMO:世の中にある大抵のプロジェクトは、一人で旗振りしているわけではありません。
例えば、予算管理はあなた、チーム組成はあなた、の様に分業していることが多いです。
そのうちの一つから経験していくと体系立てて学ぶことが出来ると思います。

ちなみに、三人が所属しているプロジェクトの運営メンバーの人数を整理してみると
- TOMOさんのNEO TOKYO PUNKS ・・・ 22人
- ΞlleさんのSuperNormal ・・・ 30人前後
- 仮想筋肉さんのSoudanNFT ・・・ 20人前後
という様な規模感です。
やはり、いきなり全部をやるというよりは、どこか一つから始めるのが現実的だと言えそうです。
仮想筋肉:どこか一つ選ぶなら、オススメの仕事はありますか?
TOMO:モデレーターさんがやりやすいし、学びも多いと思います。
モデレーターの仕事内容・期待される事

- Discord
- チャット
- 問い合わせ対応
- イベント運営
- イベント企画
- コミュニティに動きを与える・命を吹き込む
- 特定の領域を活性化する
仮想筋肉:モデレーターとはどういうものか、解説願えますか?
Ξlle:Discord内でのチャットのやり取り、チケットを使った問い合わせ対応、定期的なイベント開催などが中心です。
あとは自分が勝手にやっている事ですが、みんなを巻き込んで「こんな企画をしたい」とファウンダーに提案をして、公式イベントを立ち上がるとかですね。
仮想筋肉:そうなると、Discordでの滞在時間長くなりますよね。
そこで起きていることを全て把握するとか、反応するとか。
Ξlle:基本はDiscordに生息しています。
TOMO:コミュニティに動きを与える・命を吹き込む職業ですよね。
仮想筋肉:モデレーターは「なりたい」と思ってなれるものですか?
Ξlle:なれると思いますよ。
ジェネレイティブNFTのプロジェクトが多くあるので、そこに参加するのが良いと思います。
新規プロジェクトだけでは無くて、ローンチから2, 3ヵ月たって落ち着きがでたプロジェクトなども、人員の入れ替わりがあるので狙い目です。
海外のプロジェクトでも、「日本に広めたい」といった需要をキャッチ、あるいは刺激する様なアプローチをすればモデレーターとして採用されやすくなると思います。
TOMO:僕が一言でモデレーターを表すと「特定の領域を活性化させてくれる人」です。
活性化が役割なので、チームを楽しんでくれる人・コミュニティに愛がある人にモデレーターさんをやってもらいます。NFTのホルダーさんは熱意が見えるのでお願いしやすいです。
まずはコミュニティに入って、その場を楽しんでから、手をあげるのが良いかもしれませんね。
仮想筋肉:確かに。SoudanNFTでも海外からモデレーターに入ってくれた方はそのパターンです。作品のファンの方で、コミュニティにいる周りの人から「お前モデレーターになれよ」と推薦されていた方でした。
Community Manager’s Labo

- ケーススタディ
- Discord運営Tips(助言・ヒント)
- セキュリティマネジメント
仮想筋肉:TOMOさんが運営しているCommunity Manager’s Laboではどういった事を学べるのでしょうか。
TOMO:まずは、具体的な事例を挙げてコミュニティ運営をテーマに話し合うスレッドがあります。例えば「GM(Good Morning、挨拶)と雑談のチャットは分けるべきかどうか?」「NFTホルダーからフロアスイープ(価格変更)の声が上がってきた場合の対処方法」「@everyone(全体通知コマンド)の利用タイミング」など実践的なケーススタディです。
TOMO:こういった内容を一通りこなすと、コミュニティマネージャーを自分でもやってみようかなという人が出てきます。そういった方にむけて、より具体的なDiscordの操作方法などのTips(助言・ヒント)のスレッドがあります。Discord内にあるので、質問を受け付けながら使い方を学べる点がメリットです。
TOMO:さらに、セキュリティマネジメントとして、皆さんにスキャム(詐欺)事例を紹介・共有して頂いてます。
質問解答(Q&A)

仮想筋肉:質問をいただいています。
「コミュニティを盛り上げる為の施策を教えてください。」
Ξlle:運営主導で何かを決めるよりは「コミュニティ側で考えて企画・立案」してもらえる様にすると良いですね。
TOMO:僕は「余白の設計」を意識しています。メインストーリーはあるものの、詳細な部分は余白にしておく。そこを皆で埋める様な、ホルダー参加型のコミュニティを意識しています。
仮想筋肉:細かいところ、具体的な事例をあげると「Vote(投票)」も盛り上がりますね。
毎日ゲームをやっているNFTプロジェクトを拝見したこともあります。チームの結束力を上げる良い材料になっている印象を受けました。
泥臭いですけど「マネージャーやファウンダー自身が書きこみをする事」も大切ですね。
エンディング

仮想筋肉:そろそろお時間ですね。それぞれ最後に一言お願いします。
Ξlle:スペースで話をするのが初めてだったので緊張しました。
今後もSuperNormalを日本に広めていく手伝いをしていきます。
TOMO:コミュニティマネージャーが増えたら、今度はグチ大会とか、あるある披露とかやってみたいですね。
仮想筋肉:「NFTを売り切る優秀なコミュニティマネージャーであれば、年収3000万円!」といった様な世の中も、そう遠く無い様に思います。情報共有と実戦を続けていきましょう。

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